図3.6 小型船舶上部構造用6082−T6合金押出形材
3.1.5 船舶用アルミニウム合金材料の形状と寸法
一般に、アルミニウム合金板、押出形材、管、棒等は受注生産が主となっており、純アルミニウム系及び5052合金板並びに5056(Al−5%Mg)合金棒等の一部及び6063−T5合金押出形材を除き、市中で入手することは難しい。これでは建造期間の短い船の場合には材料供給が間に合わなくなる恐れを生じるので、舶用材料として5083合金板及び押出形材の在庫販売を行っているアルミニウム製造会社もある。ただし、以下に述べる在庫販売の板及び押出形材その他の寸法や形状例は、必ずしも各アルミニウム製造会社に共通のものではない。したがって、採用しようとする当該品の有無等は、各製造会社に商社を通じて問い合わせるか、又は、各社の技術資料を参照されたい。押出形材は、設計値に近い断面性能を持つものを、在庫品の中から選ぶのも便法である。
(1)板材
アルミニウム合金板は、JISH4000に標準寸法として厚さ0.3〜6mmの範囲にわたり幅400mm×長さ1,200mmの小板(純アルミニウム系)と幅1,220×長さ2,440mm及び幅1,000mm×長さ2,000mmの大板(同、及び5052合金)が規定されているが、船体構造用のA5083P−O合金板の場合には表3.11に示した定尺品が一般に用いられる。
板厚は、3mmから1mm間隔で10mmまでと、船底の一部や機関台等に使用される12〜25mmがある。大きさとしては、幅1,220mm×長さ2,440mm(4’×8’)、幅1,525mm×長さ3,050mm(5’×10’)、幅1,525mm×長さ6,100(5’×20’)及び幅2,000mm×長さ6,100mm(2m×20’)の定尺品4種類である。( )内は、通常用いられているフート単位の呼称を示した。同合金−H32又は−H321根の寸法も同様である。
なお、漁船の甲板や、船内の階段等にステップ材として使用される5052−H112合金縞板の寸法も表3.11に併せて示した。
*3 文献における疲労試験結果は、軽金属溶接、34(1996)、266に掲載されているので、参照されたい。
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